SaaSとソフトウェア屋さん – 37Signalsの答え
すごいエントリだなっと思ったので、日本語にしてみた。SaaSというとイニシャルコストが安いとかセキュリティやサーバー管理の手間が省けるといったユーザーの視点からの議論が多いけれども、Web開発者から見た本質とはこういう事なのだと思う。
Ask 37signals: Installable software?
企業内部で使用できるようにアプリケーションを販売する予定はありますか?
私達がインストーラブル・ソフトウェアを販売する可能性はほとんどないでしょう。これはソフトウェアにというより、ビジネス上の観点からです。
- もし、そうすればまったく別の企業になってしまうでしょう
インストーラブル・ソフトウェアを開発、販売、配給するためには今とは根本的に異なる企業にならなければならないでしょう。今ほどアジャイル開発できなくなるだろうし、今よりハッピーではなくなるでしょう。
インストーラブル・ソフトウェアを作るとすると、多大なお金と時間を テクニカルサポートに費やし、より多くのドキュメントを作成し、開発スピードを遅らせ、そして最終的には私達のアプリケーションのカスタマーエクスペリエンスをうまくコントロールできなくなってしまうでしょう。他の企業にとってはたいした問題ではないかも知れませんが、私達にとっては大変なマイナスです。
- 「ホスティング = 開発環境と動作環境をうまく管理できる 」
ソフトウェアというものは、多様な環境でうまく動作させる事が難しいものです。
Webベースのソフトウェアでは単一の動作環境上でうまく動作するように、コードを書けばよいのです。私達はプロダクトをセットアップするのに必要なハードウェアとソフトウェアを責任をもって組み合わせればよいだけです。この意義はとてつもなく大きいものです。
- 「インストーラブル = マズい事が起こりやすい 」
デスクトップアプリケーションでも、顧客の環境にセットアップされたWebアプリケーションでも、大本となるコードは単一でしょうが(あなたがカスタムバージョンを顧客ごとに作成していない限りは)、手に負えないくらい際限なく多様な動作環境に向き合わなければならないでしょう。提供するアプリケーションのインストールやアップグレードや一般的なパフォーマンスに影響を与えるOSやサードパーティのソフトウェアやハードウェアを熟知していないと、なにかマズい事が起こった時、原因を突き止めるのが非常に難しくなってしまいます。また顧客の環境にインストールする場合、異なるバージョンのRuby,Rails,MySQLなどが存在するとますます困難です。
- 後方互換性とういう悩みの種
さらに、インストーラブル・ソフトウェアを販売すると、後方互換性にも取り組まなければなりません。最新バージョンが3.2だとします、数千人のユーザーが3.1ではなく3.0を使用していたらアップグレード手順はどうなるでしょう?そして、まだ2.9や2.9.7を使用しているユーザーについてはどうしましょう?後方互換性を維持するという事は、多分ソフトウェアのアップデートにとって最大の障害でしょう。
もちろん、ブラウザー間の相違やブラウザーのバージョンの違いといった点ではWebベースのホスティングアプリケーションも似たような問題はありますが、それはWebベースのインストーラブル・ソフトウェアでも変わりません。そういった問題はどちらにも存在するので、チャラです。
- アップデート・サイクル
最後に、Webベースのソフトウェアは顧客側の作業を必要とせず、たちどころにすべての顧客に対してアップデートを行うことができます。つまり、顧客に何の負担をかけるもなく、日次で(もしくは一日に何度も)ソフトウェアをアップデートできるということです。インストーラブル・ソフトウェアのアップデート・サイクルはたいていもっと長くなってしまいます、なぜならユーザーにアップデートを毎日ダウンロードするようお願いしなくてすむよう、リリースをまとめることの方が重要だからです。
このように言う事で、デスクトップ・アプリケーションやインストーラブル・ソフトウェアがなくなるとか、魅力がないとか言いたいのではありません。しかし、今のところWebベースのホスティング・アプリケーションという私達が好むやり方にこだわりたいと思います。
very interesting.
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1月 9, 2008 at 9:51 午前